獣医師の国家試験の勉強を始める前に就活を始めた方々が、避けて通ることができないのが収入についてですね。
「初任給っていくらなんだろう?」
「昇給はしていくのだろうか?」
「そもそも平均年収っていくらなんだろう?」
今回はこういった疑問に答えられるように小動物臨床の獣医師の平均的な年収や初任給について解説していきます。
目次
小動物臨床獣医師とは
獣医師の仕事には様々な形があります。
公務員のように動物の保健管理や公衆衛生に携わることで、伝染病対策、食品の安全性を保つ仕事に就く方もいれば、動物用医薬品や獣医療商品のメーカーなどの企業で開発職や営業職に就く方もいます。
その中でもやはり一番有名な働き方は小動物臨床獣医師でしょう。
小動物臨床獣医師はいわゆる「動物病院で働く獣医さん」という働き方です。
現在獣医学部を卒業した方が希望する進路の中で最も人気の働き方の一つです。
小動物臨床獣医師の主な仕事
小動物臨床獣医師の中にも様々な働き方があります。
○雇用形態の違い
・勤務医
動物病院に雇われながら働く獣医師のことです。
最近ではあまり言われなくなりましたが、かつては院長の代わりに診察する「代診」と言われていました。
グループ病院など大きな規模の動物病院であれば院長、分院長、医局長、外科部長などのポジションに就くことがあります。
・開業医
自身で病院を開いて動物病院を経営する獣医師のことです。
経営と臨床を両立して働くことが要求されます。
グループ病院などの大きな規模の動物病院まで成長すると、臨床を退き、経営のみに専念される方もいらっしゃいます。
また最近では事業承継といって、リタイヤする院長から動物病院を譲り受け、開業する獣医師もいます。
・フリーランス
特定の動物病院に雇われずに業務委託として様々な動物病院で勤務する獣医師です。
一つの診療科を専門としている獣医師が多いです。
○診療科の違い
・総合臨床科
診療科を一つに絞ることなく全ての診療科を診察する獣医師のことです。
一次診療施設の獣医師は総合臨床医になることが多いです。
全ての診療科を診察し、専門性の高い疾患に関しては二次診療施設に紹介するというスタイルで仕事する方が多いです。
・専門科
一つの診療科を専門として診察をする獣医師のことです。
有名な診療科には腫瘍科、整形外科、循環器科、眼科、神経科、腎泌尿器科、皮膚科などがあります。
動物病院に勤務医として雇われることもありますが、フリーランスの獣医師として様々な病院で働くことも多いです。
中には学術方面に特化し、大学病院で働く方もいらっしゃいます。
このように様々な働き方があり、特に最近では働き方の多様性も認められてきています。
小動物臨床獣医師の初任給、年収
小動物臨床獣医師の初任給はおよそ23万円前後と言われています。
もちろん都会の方が高く、地方の方が安い傾向にあります。
年収については、残念ながら小動物臨床の獣医師の特化したものは厚生労働省から発表されていません。
獣医師全体でいうと、男性獣医師の場合約641万円、女性獣医師の場合は約522万円と言われています。
40歳のサラリーマンと比べた時には獣医師の方が若干収入が高いですが、医師という名前が付く割には安いと感じる方が多いのではないでしょうか?
年収向上のためのアプローチ
獣医師の年収は前の章で述べた通りですが、その中でも年収1000万円以上の小動物臨床獣医師も存在します。
いくつかその例と、そういった存在になるためにどうしたらいいかをご紹介していきます。
・成功した開業医
開業医はその開業した動物病院の売り上げによって収入が変動します。
開業時に融資を受けなければいけない例が多く、来院数が少なく売り上げが少なかった場合に、収入が勤務医より悪くなるリスクもありますが、来院数の多い動物病院に成長させることができれば年収は1000万円以上になっていきます。
自身の臨床獣医師としての実力や専門性を持つことも大事ですが、経営者としての能力も大きな武器になります。
幅広く知識を身につけることが大事です。
・専門性のある勤務医、フリーランス
専門性のある獣医師はそれだけで動物病院から重宝されます。
一般的な獣医師では診察不可能な症例の治療ができるからですね。
手術などの高度な治療や解釈の難しい検査を行うことが多く、診療報酬が高くなるため、収入は高くなる傾向にあります。
フリーランスの場合は歩合などの成果報酬型の働き方をする場合もあります。
ひたすら知識や技術を磨き、認定医や専門医の資格を取ったり、学会発表や論文発表を通じて有名になっていくことでこういった働き方ができるようになります。
・勤務医の院長
勤務医として就職し、徐々にステージが変わっていき、部下を持った院長になる獣医師ですね。
獣医師としての実力はもちろん、部下のマネジメントの能力も必要となります。
ある程度大きい規模の動物病院に長く勤めていき院長になるパターンや他の病院からヘッドハンティングされ院長になるパターンがあります。
いずれにも共通しているのは知識や能力を身につけることが重要ということですね。
また、住む地域によっては家賃が高くて収入は高いのに意外と生活の質が上がらないこともあります。
手取りの給与から生活費を引いた価格が自由に使えるお金となりますので、ライフステージに合わせて引っ越しをすることも実質的な収入を増やすことにつながります。
まとめ
収入は就職先を選ぶ上で非常に大事な要素になります。
小動物臨床には様々な働き方がありますが、収入を上げるのに共通しているのは知識や能力を向上させることです。
中にはタイミングや運によって意図せずに転職などで収入を上げることができることがあります。
しかし、実力が見合わず結局苦しい働き方を強いられることもあります。
知識や能力を身につけて着実に収入を上げていくのが王道ということですね。
回り道をせずに努力を重ねていきましょう!
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